子供のおしゃぶりと歯並びが悪いことは関係ありますか?

東京護国寺駅の歯医者さん、ミューズ矯正歯科です。
今回のテーマは「歯並びが悪くなる子供の癖について」です。人間の誰もが何らかの癖がありますが、子供には子供ならではの癖があります。

親はそんな子供の癖を見て微笑ましく思うかもしれませんが、子供の癖の中には歯並びが悪くなる要因となる危険な癖があります。実際、大人の中には子供の癖が要因となって歯並びが悪くなってしまっているケースもあります。

指しゃぶりがもたらす歯並びへの影響

子供の癖として真っ先に連想するのが指しゃぶりですが、指しゃぶりは歯並びが悪くなる要因になります。指しゃぶりで指を吸う力は非常に強く、しかも癖であるため継続的に行われます。それはつまり歯や顎に継続的に過剰な力をかけてしまうことになり、それが負担となって歯並びに影響します。

開咬

上下の歯の噛み合わせにおいて、前歯の間に隙間が発生して正常に噛めない状態です。前歯の間に隙間が発生する要因は、指しゃぶりをしている際に上下の前歯で指を噛むためです。

上顎前突

いわゆる出っ歯の状態です。指しゃぶりをする際に指で上の前歯を持続的に押してしまうため、その力の影響によって前歯で前に出る…つまり出っ歯になってしまいます。

交叉咬合

指しゃぶりで指を吸うと、頬の筋力を使って奥歯が内側に押される状態になります。そうすると上の歯列の幅が狭くなり、噛み合わせが悪くなって上下の前歯で中心が一致しなくなります。

…指しゃぶりは子供にとって一種の学びであり、乳児にとっては癖と言うよりも遊びです。ですから、乳児の時に無理に指しゃぶりを止めさせる必要はないものの、2歳や3歳になっても指しゃぶりが続く場合、歯並びが悪くなる要因になってしまいます。

指しゃぶりを止めさせる方法

子供の指しゃぶりを止めさせるには、ストレートにそのまま伝えてもあまり効果はありません。と言うのも、子供の年齢によっては歯並びの問題を理解できないからで、そのため次の方法で指しゃぶりを止めさせることをおすすめします。

手を使う遊びを教える

例えば絵を描く、指を使って遊びをするなど、手を使った遊びを教えてあげましょう。手を使って遊べばその時は指しゃぶりができないため、遊びに夢中になることで指しゃぶりもしなくなります。

指しゃぶりをしなかった時に褒める

指しゃぶりをしたら叱るのではなく、指しゃぶりをしなかった時に褒めてあげましょう。小さな子供は褒められると嬉しくなるため、行為を叱るよりも行為をしないことを褒めた方が効果的です。

専用のグッズを使う

近年では様々な便利グッズが販売されていますが、指しゃぶり対策のグッズも販売されています。子供の指しゃぶりが直らないなら、このようなグッズを使うのも一つの方法です。

…3歳になっても指しゃぶりが直らなければ、それは言葉できちんと伝えて止めさせてあげましょう。指しゃぶりを止めさせる時は、まず子供の年齢を考えなければなりません。一方的に叱るのではなく、年齢にあわせた方法で止めさせてあげてください。

指しゃぶり以外の歯並びが悪くなる癖

歯並びが悪くなる要因となる癖は指しゃぶりだけではありません。次の癖も歯並びが悪くなる要因になりますし、それは子供に限らず大人にも言えることです。

頬杖

頬杖をつくと顎で頭の重さを支える状態になるため、それが顎に負担となります。このため噛み合わせが悪くなる、歯並びが悪くなるなどの問題が起こりやすくなります。

歯ぎしり

歯ぎしりを繰り返すと摩擦によって歯が擦れていきます。このため歯の高さが低くなり、噛み合わせが悪くなってしまいます。

口呼吸

口呼吸は乾燥した空気を直接取り込むため健康にも良くないですし、噛み合わせが悪くなる要因にもなります。また、既に噛み合わせが悪くて口呼吸になっている可能性もあります。

…歯並びや噛み合わせが悪くなる要因として遺伝的な要素もありますが、このような日常生活での癖が要因となることもあります。この場合、例え矯正治療で歯並びを改善しても、癖が直らなければまた歯並びが悪くなってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯並びが悪くなる子供の癖についてまとめます。

1. 指しゃぶりがもたらす歯並びへの影響 :指しゃぶりでかかる力が要因で開咬、上顎前突、交叉咬合になる
2. 指しゃぶりを止めさせる方法 :手を使う遊びを教える、指しゃぶりをしなかったら褒める、グッズを使う
3. 指しゃぶり以外の歯並びが悪くなる癖 :頬杖、歯ぎしり、口呼吸

これら3つのことから、歯並びが悪くなる子供の癖について分かります。子供の歯並びが悪ければ小児矯正を考えるでしょうが、癖が要因の場合は癖そのものの改善も考えなければなりません。

なぜなら、いくら小児矯正で歯並びを改善しても、癖が要因ならその癖を改善しない限り、いずれまた歯並びが悪くなってしまうからです。また、子供に限らず大人においても癖が要因で歯並びが悪くなることがあります。