矯正治療後は何もしなくてよいのですか?
東京護国寺駅の歯医者さん、ミューズ矯正歯科です。
今回のテーマは「矯正治療後の生活」です。
矯正治療は治療期間が長いため、終わった時にはホッとしますし嬉しさを感じると思います。
ただし、矯正治療で動かした歯は時間の経過とともに元の位置に戻ろうとするため、何の対処もしなければいずれ歯並びは元に戻ってしまいます。ではいつどうやって対処するのか?…今回はその点について説明します。
保定装置とは
矯正治療後は矯正装置ではなく保定装置を装着して後戻りを防ぎます。保定装置は歯に装着する仕様になっているため、矯正装置のようなものだとイメージすれば良いでしょう。さて、保定装置は大きく分けて2つの種類のものがあります。
マウスピースタイプ
マウスピース矯正同様、取り外しができるタイプの保定装置です。取り外しできる点から衛生面に不安がないのがメリットで、タイプによっては目立つものもありますが、審美性を重視した目立たないタイプのものもあります。
取り外しできる点は大きなメリットですが、その一方でデメリットにもなります。取り外しできるため紛失に注意しなければならないですし、つい外してしまう癖がついてしまうと保定装置の効果が減少して後戻りが起こりやすくなります。
ワイヤータイプ
ワイヤーと言っても歯の裏側に装着するため、保定装置は目立ちにくく、むしろマウスピースタイプに比べて審美性は高いです。そして、その目立ちにくさこそワイヤータイプのメリットです。
また、取り外しできないため外して管理する必要がなく、装着したままで生活できるので手間も掛かりません。一方デメリットは歯磨きがしづらいこと、歯石が付着しやすくなってしまうことで、マウスピースタイプに比べると虫歯や歯周病になるリスクが高いと言えるでしょう。
<審美性の注意点>
矯正装置の審美性はマウスピース矯正が最も高いのですが、保定装置は逆になります。マウスピースタイプは歯の表側、ワイヤータイプは歯の裏側に装着するため、真正面から見て審美性が高いのはワイヤータイプになるのです。最も、マウスピースタイプの場合はマウスピースの種類によっては透明で目立たないものもあります。
保定期間の長さ
保定装置の装着で最も気になるのは装着の期間…つまり保定期間だと思います。これについては個人差があるためハッキリと期間は断言できないのですが、一般的には1年~3年ほどで、矯正治療の治療期間とほぼ同じと考えれば良いでしょう。
保定装置の装着時間は保定期間に入ってすぐの頃は長時間の装着が必要になりますが、期間の経過とともに徐々に装着時間は短くなっていきます。その点は担当の歯科医の指示を守り、決まった時間は必ず装着するようにしてください。
保定期間の通院
保定期間の通院間隔は、歯科医院の方針によって異なります。一般的なケースとしては保定期間に入ってすぐの頃は通院頻度が高く、1ヶ月に1回は通院が必要なことが大半です。
一方、保定期間が一定以上経過すれば通院の頻度は低くなり、数ヶ月に1回程度の通院になります。つまり、矯正治療が終わったばかりの状態だと通院の頻度が高くなりますが、これは、矯正治療後は歯が後戻りしやすい状態になるため、それを防ぐ意味合いを持っています。
保定期間の費用
多くの場合、保定期間の費用は矯正治療の費用に含まれています。つまり、矯正治療の費用がトータル100万円と提示されていた場合、保定期間の費用もその100万円の中に含まれているということです。
とは言え、一括で全額支払うケース以外では通院ごとに費用が発生するため、保定期間中の通院でも費用の支払いが必要です。これについては歯科医院の方針によっても異なるため、矯正治療を受ける前の段階で必ず確認するようにしておきましょう。
保定期間に通院を止めた場合
例え1年経過していたとしても、歯科医の指示なしで通院を止めてしまえば後戻りが起こります。このため、保定期間の通院は最後まで欠かさず行うようにしてください。仮に通院を止めて後戻りが起これば、これまでの治療の成果が全て失われてしまいます。
そうなるとまた最初から矯正治療をスタートしなければならないですし、それどころか矯正治療前の状態よりも歯並びが悪くなる可能性もあります。矯正治療で改善した歯並びを維持するには、保定期間は絶対に必要ということです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、矯正治療後の生活についてまとめます。
1. 保定装置とは :取り外しできるマウスピースタイプと、固定式のワイヤータイプがある
2. 保定期間の長さ :個人差があるので断言できないが、一般的には矯正治療の治療期間と同じくらい
3. 保定期間の通院 :保定期間に入って間もない頃は通院の頻度が高いが、徐々に通院の頻度は減っていく
4. 保定期間の費用 :矯正治療の費用に含まれていることが多いが、歯科医院で確認するのが確実
5. 保定期間に通院を止めた場合 :後戻りが起こるため、必ず最後まで通院すること
これら5つのことから、矯正治療後の生活について分かります。矯正治療後は後戻りを防ぐために保定期間を設け、保定装置を装着して対処します。保定装置の装着は最初こそ不自由に思うかもしれませんが、これも矯正治療の一貫であり、改善した歯並びを維持するために欠かせない大切な治療だと考えてください。