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院長ブログ

歯は抜かないといけませんか?

2018年01月18日

東京護国寺駅の歯医者さん、ミューズ矯正歯科です。
今回のテーマは「矯正治療における抜歯の必要性」です。
矯正治療を受けようとした時、歯科医から抜歯することを告げられることがあります。

特に、治療内容として矯正装置を装着するだけのイメージをしていた人にとっては、
抜歯することを告げられることで不安を感じてしまうでしょう。
では、矯正治療では絶対に歯を抜かなければならないのでしょうか?…今回はそれについてお答えします。

抜歯をする可能性について

矯正治療で抜歯をするかどうか、その可能性はこの場で断言できません。
確かに、矯正治療では抜歯が必要になることがありますが、抜歯が必要でないこともあるのです。
歯の凸凹の度合い、前歯を覆っている唇の大きさなど、これらを総合的に判断して抜歯の必要性を考えます。

つまり、実際に診断してみないことには分からないのです。
そう考えると、最初から「抜歯をしない」と公言している歯科医院での矯正治療はおすすめできません。
抜歯が必要であるにもかかわらず抜歯せずに矯正治療を行えば、治療の失敗を招くからです。

抜歯をする目的

そもそもなぜ矯正治療で抜歯が必要なのか?…これについて分かりやすく説明していきます。
矯正治療とは歯並びを綺麗にするための治療で、歯は顎の骨となる歯槽骨によって支えられています。
とは言え、これではイメージしにくいと思うので、例を挙げて説明しましょう。

歯並びが悪いというのは、例えるなら4人掛けのソファに5人が座っている状態です。
当然綺麗に並んで座ることができず、5人は凸凹に無理やり座っている状態になります。
この場合、いくら5人を整列させても綺麗に並ぶことはできません。

何しろソファが4人掛けなのですから、そもそも5人並んでいることに問題があるのです。
ではどうすれば綺麗に座れるのか?…それは1人ソファから降ろすことです。
そうすれば人数は4人に減り、4人掛けのソファに綺麗に並ぶことができます。

矯正治療における抜歯はこれと同じ理由です。
歯を綺麗に並べようにも並ぶスペースがない…だから抜歯をしてスペースを作っているのです。

抜歯せずに矯正治療をするには

これには2つの方法があります。1つは顎を拡げることで、これは子供の矯正治療でよく用いられる方法です。
顎を拡げる矯正装置を使用し、1年以上掛けて顎を少しずつ拡げていきます。
ちなみに矯正治療をテーマにした質問の中で、こんな質問をよく聞きます。

「矯正治療は大人になってからした方が良いのか?子供の頃にした方が良いのか?」
…この答えは後者です。理由はいくつかありますが、
その中の1つとして「抜歯せずに矯正治療できる可能性が高い」というのが挙げられます。

もう1つの方法は、歯を削ることです。例えば前歯の6本を矯正治療するとして、
全ての歯を1ミリ削ればトータルで6ミリの余裕が生まれ、その隙間を使って矯正治療ができます。

ただし、いずれの場合も歯の凸凹が少ない場合のみ適応できる方法ですから、
凸凹の状態によってはやはり抜歯が必要になってきます。

抜歯をしないとどうなるか

抜歯が必要にもかかわらずそれを無視して矯正治療を行った場合、以下の2つの問題が起こります。

・口元の見た目が悪くなる
歯槽骨の幅が小さく歯が大きい場合、通常なら抜歯が必要です。
それを無視して矯正治療を行うと、歯を無理やり並べることになります。
しかし当然並びきらないため、その分歯が外側に飛び出してしまいます。

そうなると口を閉じても口元が大きく前に出てしまい、口元の見た目が悪くなってしまうのです。
また、これによって口が閉じられなくなると口呼吸になり、
口の中が渇いて虫歯や歯周病になるリスクを高めるという全く別の問題を招いてしまいます。

・後戻りが起こりやすい
誤解を招かないために最初に言っておくと、抜歯をした矯正治療でも後戻りは起こります。
後戻りとは矯正治療を終えた後、歯が元の状態…つまり治療前の歯並びの状態に戻ろうとすることです。
これを防ぐため、矯正治療を終えた後はリテーナーという保定装置を装着して対処します。

さて、抜歯が必要にもかかわらずそれを無視して矯正治療したとなると、
本来歯が綺麗に並びきらないスペースに無理やり並べたことになります。
この場合、後戻りがより起こりやすくなってしまうのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、矯正治療における抜歯の必要性についてまとめます。

1. 抜歯をする可能性について :診断してみないと分からないため、確率はこの場で断言できない
2. 抜歯をする目的 :歯を綺麗に並べるために必要なスペースの確保
3. 抜歯せずに矯正治療するには :顎を拡げるなどの方法があるが、凸凹の状態によっては対処できない
4. 抜歯をしないとどうなるか :口の見た目が悪くなり、後戻りも起こりやすくなる

これら4つのことから、矯正治療における抜歯の必要性について分かります。
正直、大人の矯正治療では抜歯が必要になるケースが多いでしょう。
しかし、それを無視してしまえば矯正治療の失敗を招いてしまいます。
とは言え、抜歯を嫌だと感じる患者さんの気持ちは充分理解できるので、
まずは歯科医に相談し、歯並びの状態から抜歯の必要性を診断してもらうと良いでしょう。