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管楽器奏者の方へ

当院では管楽器を演奏される方の矯正治療を行っています。 楽器を吹きやすくするために歯並びを治したい、歯並びを治したいが吹けなくなるのが心配という方、ぜひご相談ください。管楽器のことを理解してくれる歯科医院で治療をしたいと名古屋や関西から通院される方も多く、プロ奏者や音大生の他に管楽器を学ぶ熱心な小中学生もいらっしゃいます。
演奏のためのアダプターの作製や歯の形態修正なども行っております。

当院の管楽器奏者への取組みについて

1995年より「管楽器奏者の歯のためのページ」という管楽器奏者向けの歯の情報を発信するサイトを始め、管楽器奏者の歯の相談に乗っていました。1999年にミューズ矯正歯科を開業してからは、患者さんの約1/3が管楽器演奏をされる方で、多くのプロ奏者や音大生を中心に管楽器奏者の治療を手掛けてきました。その後も管楽器演奏と歯の関係を常に考え研究をしています。

一般的に、管楽器演奏していると矯正治療が出来ない、あるいは矯正治療をすると管楽器が吹けないと考えられており、実際装置のために痛くて吹けないなどの理由で管楽器を諦めたり矯正治療を諦める人が今でも多いようです。良く管楽器のことを知らない矯正歯科医は、安易に治療を始めて演奏活動に支障が出ることもあるし、また治療が上手くいかないと管楽器演奏が原因と考え演奏を禁止する歯科医もあります。

管楽器を演奏する側にとっては、歯並びや咬み合わせが良い方が演奏にとって有利になるのに、治すことができないとなればとても残念なことです。当院では、演奏になるべく支障がない方法で、演奏に望ましい歯並びにすることが目標です。もちろん、歯だけで楽器を吹いているのではありませんが、歯を意識せずに音楽に集中できるようになることが大切と考えています。

インタビュー記事をこちらからご覧ください。

当院における管楽器奏者向け矯正治療について

1)楽器演奏時のレントゲン写真を参考に楽器と歯の位置関係等を考慮し治療方針と使用装置に反映します。 2)少しでも演奏に支障のないよう小さい装置を探し使用しています。取り外しの出来る装置も扱っています。 3)少しでも固定式の装置をつけている期間が短くなるように工夫しています。 4)治療の進め方によっては一時的に歯の位置関係が変わり吹けなくなることがありますが、そういうことの起こらぬよう治療手順を考慮しています。 5)装置を入れたばかりの時やワイヤーの力が強くなるときは演奏に支障が出ることがありますので、演奏活動のスケジュールに配慮して治療を進めます。 6)矯正治療終了後に歯の形態の微調整を行うと演奏しやすくなることがあり、適宜おこないます。
7)口腔周囲筋機能療法に力を入れており、治療後の歯並びの安定だけでなく、管楽器演奏技能の向上にも役立ちます。

管楽器奏者に使用する矯正装置

・唇側ブラケット装置(歯の表側)
・リンガルブラケット装置
・マウスピース矯正
などの選択肢があり、それらを組み合わせることで、歯並びの状態や治療目標に合わせて治療方法を選択します。

唇側ブラケット装置

一般的な矯正器具です。複雑な歯の移動が必要な症例では、この方法が望ましい場合が多く、治療費も安くすみます。

出っ張りが口唇に当り演奏時に痛みを生じる等の不具合がありますが、小さくて薄い装置を用い、ゴムリングで結紮するなどの工夫をすることで、演奏時の不具合を少なくすることができます。個人差はありますが、私の経験ではそういった工夫をすることで、唇側ブラケット装置で治療をしても楽器は吹けるようです。ただし、特にトランペットやホルンなどの金管楽器では、口唇がバテやすい、高音が出にくいなどの問題が出ることがあり(個人差があります)、配慮が必要になることがあります。

当院ではとても小さくて薄い装置を選んで使用していますのでご安心ください。白くて目立ちにくい装置もあります。

唇側ブラケットで治療した例&患者さんの感想

1)唇側ブラケット(上顎クリア、下顎メタル)で治療したサックス奏者

2)唇側ブラケット(上下顎メタル)で治療したトロンボーン奏者

リンガルブラケット装置

裏側に付ける矯正器具です。口唇に当らないので演奏時の痛みが少ないです。

「リンガルブラケットなら管楽器演奏の邪魔になりません」という宣伝を多くみますが、裏側であっても管楽器演奏に影響が全くないわけではありません。特に金管楽器では口唇が痛くなることを避けることができ有効ですが、アタックが汚くなる、舌にこすれてシラブルが変わるなどの問題が出ることがあります。ですので、リンガルブラケットであっても管楽器奏者への配慮は必要と考えています。

治療費が高額になりますが、他人に矯正治療をしていることを知られたくない事情があるときに向いています。

当院では、部分矯正に2Dリンガルブラケット(とても小さく動きが早い)、全体矯正ではインコグニト(薄くて丸みがあるので違和感が少なく、オーダーメイドで動きが正確)を使用しています。

マウスピース矯正

取外しのできる装置で、当院では「クリアアライナー」と「インビザライン」を扱っています。

少々の歯の移動であればクリアアライナーがお勧めですが、全体的な歯の調整が必要な時はインビザラインがよいでしょう。

インビザラインは取外しのできる器具を1日20時間以上使う必要があり、管楽器演奏時間を考えると治療に十分な時間を確保できない場合もあります。また、歯に「アタッチメント」を付ける必要があるので、それが演奏に支障が出ることがあります。また、歯の幅を削る歯科医院が多く、0.5mmであっても歯の形が変わることが演奏に悪影響となる可能性があります。ですので「管楽器を吹いていてもインビザラインなら大丈夫」という宣伝がよくされていますが、注意が必要です。

当院では、アタッチメントの調整や、楽器練習により使用時間が不十分な場合にも対応もしていますので、安心です。

症例によってはインビザラインは治療期間が長くかかったり、演奏上一番直ってほしい箇所が直るのが後回しになることがあります。その場合は固定式装置との組合せで治療期間の短縮等ができることがあります。

補綴処置で歯を整える方法

・「セラミック矯正」といった治療法を勧める歯科医院があります。歯科矯正とは歯の根ごど動かして歯並びを整える治療ですが、このように補綴処置で歯並びを整えることは、正しくは「矯正」とは言いません。補綴処置とはクラウンやブリッジで歯の欠けや不揃いを補う治療で、短期間で終わる、矯正器具を付けなくてもよいといったメリットがありますが、管楽器を演奏する方にはあまりお勧めしません。

・歯の形自体が変わってしまい、吹きにくくなることがある。また多くの場合神経を取る必要があり、将来歯根の病気で抜歯が必要になる可能性が高いからです。

・もし他院で補綴処置を受けて吹けなくなった場合には、本来の歯の形に戻すことで改善することがあります。あまり時間が経つとアンブシュアが変わってしまいますので、おかしいと思ったら早めにご相談ください。

・元々補綴処置をしてあって新しくしたい等のご希望があるときは、当院でも補綴処置を行います。楽器を吹いて仮歯を調整し、良い状態になったところで、その仮歯を参考に補綴処置を行います。

最適な矯正装置・治療方法は、歯並びの状態にもよりますが、楽器の種類やアンブシュア、治療目標にもよりますので、ぜひご相談ください。